歯を抜かない矯正

歯を抜かない矯正

歯を抜かない治療法とは?

様々な要因を検証し、抜歯・非抜歯のご提案をさせて頂いておりますが、当院では非抜歯での矯正もご提案しております。
非抜歯をご提案する大きな理由は「心身的な負担」「治療期間の長期化」ことがあげられます。抜歯をする場合は、抜歯しない場合と比べ歯を大きく移動させる必要がでてくるため、治療期間が延びてしまう傾向があるのです。

しかし、どの症例でも非抜歯にするわけではありません。無理に非抜歯矯正を遂行した場合、下記のような問題が生じることがあります。

歯を抜かない治療法とは?

出っ歯(上顎前突)による見た目の問題

無理な非抜歯矯正は、「出っ歯」と一般的に呼ばれている上顎前突になる可能性もあり、口元の美しさを大きく損ねてしまうこともあります。
これは歯を並べるスペースが足りないのに、無理やり歯を並べようとすることで起きてしまうのです。イメージしやすい例としましては、2人掛けの椅子に、3人座ろうとした場合に似ています。3人座ることができるかもしれませんが、無理が生じるため、どこかが盛り上がってしまいます。これは矯正治療も同様に起こってきます。

歯並びの状態をご自身で把握し、どのように矯正治療を進めていくか考える必要があります。まずはご相談ください。

出っ歯(上顎前突)による見た目の問題

アンカースクリューを用いた矯正治療

どのようにして非抜歯矯正が可能になるのかお伝えしていきます。当院ではアンカースクリュー矯正を行うことで非抜歯矯正を行っています。
具体的には、歯列矯正用の非常に小さなインプラント(人工の根)を顎の骨に埋め込み、歯を動かすための固定源にする事で、従来法では不可能と考えられていた「後方」への歯の移動を可能にした矯正法です。

出っ歯(上顎前突)による見た目の問題
出っ歯(上顎前突)による見た目の問題

従来の矯正の場合は、「自分の歯」を固定源にして他の歯を動かしていくため、綱引きの原理で動かしたくない歯まで動いてしまうことがあります。これにより、動かす力が分散してしまい治療期間が長くなってしまう欠点がありました。

しかし、アンカースクリュー矯正の場合、「インプラントでしっかり固定されたスクリューを固定源」にするので、動かしたい歯を引っ張ると、その歯だけが移動するという仕組みです。矯正に使用するインプラントの植立は、「痛くて、大変そうなイメージ」がありますが、実際の手術は局所麻酔を含めて20分で終了してしまいます。

※骨折のときに骨と骨をつないでおくものと同じチタン製で人体に為害作用はありません。
簡単な作業で完了し、歯の移動が終われば除去します。※除去後の歯肉や顎骨は約1週間で回復します。

「アンカースクリュー矯正」だと、なぜ「非抜歯」が可能になるのか?

歯並びが悪くなる原因は、「歯が並ぶ顎のスペースが足りない」ことが主な原因です。
従来の矯正治療では、一般的に犬歯の隣にある第一小臼歯という歯を抜いて、その空いたスペースを利用して歯を動かしていました。つまり抜歯を伴った矯正治療です。

アンカースクリュー矯正では、今まで移動させることが困難だった「後方」への歯の移動(遠心移動)が可能になったため、新たにスペースをつくることができ、そのスペースに歯を並べていくことで非抜歯矯正を可能にしています。
「歯を並べるスペースを作る」という考え方は同じですが、その方法が「抜歯なのか非抜歯なのか」という違いになります。